hahaso stories
「柞」と書いて「ははそ」と読みます。
現代人にはすっかり馴染みがない植物名となってしまいました。
「ははそ」とはナラやコナラやクヌギなどの団栗(どんぐり)の成る木の総称で、里山にはありふれた樹木です。ただそれらを「ははそ」と総称することを知らないだけです。
椎茸栽培の原木には最適で、薪としても使われる生活に欠かせない木。腐葉土を作る葉をかき集めるには最適の木でもあります。
しかしそれ以外では、取り立てて注目されることもなく、雑木林の「雑木」と呼ばれています。
雑木と呼ばれ、薪や椎茸の原木、チップにしか使い道がないとされてきた「団栗の成る木」を利活用して家具を作りたい。
これまで接点のなかった、讃岐の「木の仕事」に携わる川上から川下までの事業者が線で繋がる、はじめての試み。
讃岐の地で
讃岐の木づかい職人たちが連携し
讃岐の木を「伐って使う」
ものづくり
伐った切り株からの萌芽更新により若い木々が育ち、健康な森への再生の手助けとなる。
讃岐の木づかい職人たちの思い
100% MADE IN SANUKI PROJECT


きっかけは“国産家具”への疑問
これまで“国産家具”と謳ってきた国内の家具メーカーですが、実はその材料となる広葉樹の95%が“外国産材”を使用しています。
それで国産と呼んでいいのか?という疑問が次第に大きくなり、日本の木を使って「真のメイド・イン・ジャパン」と呼べる家具を作りたいと思い、北海道産材などを使用した家具づくりに取り組んできました。
が、どうしても「メイド・イン・讃岐」の家具を作りたい。
香川県の広葉樹は家具用材になるのか?
香川県にはコナラ、クヌギ、アベマキ、ヤマザクラなどの広葉樹はあるけれど、それが家具用材として使えるとは思われなかった。「雑木」ですから。「広葉樹が欲しいんです!」と言ってもなかなか相手にしてもらえませんでした。
出材して手に入らなければ、使えるかどうかもわからない・・・
山には在るのに手に入らない・・・
2021年8月、ようやく香川県産業技術センターから提供されたコナラ材を使ってテーブルとスツールを試作。その表情は繊細で力強く、これまで主に使用してきた北海道産ミズナラにも引けを取らない素材であることが確認できました。
ナラ枯れ
でも、地元の広葉樹が素材として優れているとして、だからって伐っていいのか?木はなるべく伐らないほうが自然にやさしいのでは?と思ってしまいそうなところですが、実はそうとも限らない、別の問題がありました。
「ナラ枯れ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?ナラ枯れは、カシノナガキクイムシという虫がナラ菌(カビの一種)を運び、木の内部に侵入して感染を広げることで、水を吸い上げる機能を阻害し、枯死させてしまう木の伝染病です。コナラやクヌギなどのナラ類が特に被害を受けやすく、その被害は全国的に深刻さを増しています。
ナラ枯れで枯死した木は倒木の危険があるだけでなく、被害木を放置すると虫の繁殖によって感染が急速に拡大します。これにより森林環境が変化し、どんぐりを食べる動物たちの食料が減るなど、生態系にも影響が及びます。近年では、餌を求めて人里に出没する熊の増加との関係も指摘されています。
では、ナラ枯れを食い止めるにはどうすればよいか?その答えはとてもシンプルです。高齢の大木ほどナラ枯れにかかりやすいため、適切に「伐って使う」こと。どんぐりの木は伐った切り株から新たな芽が出る「萌芽更新」により若い木々が育ちやすく、それを繰り返すことが森林を健康に保つことに繋がります。
そもそも
なぜ家具の材料に外国産材を使ってきたのか。日本は国土の2/3が森林で世界で2番目に森林率の高い国なのに?伐って使ったほうがいい木が国内にあるのに?日本の広葉樹は海外より劣っているの?いいえ、そうではありません。北海道など一部の地域を除いて、国内の広葉樹林は「雑木林」として扱われてきたために、それを木材として加工・流通させる仕組みがほとんどないからです。私たちの工場がある香川県もそうでした。
香川県をはじめ、国内の広葉樹林の多くは人の暮らしとともに維持されてきた里山林です。かつては薪や炭の材料として伐り、使い、また育てる循環がありました。しかし、1950年代以降、石油やガス、電力が生活や産業の燃料として急速に普及したことで、薪や炭の需要は激減。林業も規模を縮小せざるを得ず、手入れの行き届かない森が増えました。
適切に「伐って使う」ことが森の助けになる。この木々で家具を作り還元できたなら——
これまでまったく接点のなかった、林業・製材・乾燥・製造・販売、すなわち川上から川下までの「木」に携わる各事業者が集結し、みんなの連携協力無くして成し得ない「100%メイド・イン・讃岐」を創り出すサプライチェーンの構築が始まりました。
伐採
2022年12月〜2023年6月、各森林組合や自伐林業家の方々から続々と出材の案内をいただき、コナラ、クヌギ、アベマキ、ヤマザクラ、クス、ノグルミ、キリ、モチなど他樹種の確保ができました。
伐採現場や土場で、家具用材として適した太さや長さ、樹種や曲がりの程度などの希望を真剣に聞いてくれました。
また、危険を伴う伐採作業や搬出の難しさ、ナラ枯れの実態と森への思いなどを知るにつれ、感謝の気持ちが高まりました。
製材
広葉樹、特にコナラやクヌギ、アベマキなど「どんぐりの木」は非常に硬い木なので、香川県下で製材できる設備とノウハウを持つ事業所が非常に少ないのが現状です。
また設備の老朽化、職人の高齢化や後継者不足などの問題も抱えるなか、いつも笑って引き受けてくれる心強い職人たちです。
天然乾燥
製材後は家具工場に持ち帰り、付着している製材粉を落として防虫・割れ止めを施し、カスガイを打ったら桟積みして天然乾燥が始まります。
気温や風通し、保管場所、製材厚みなどによって乾燥状態が異なるので、含水率チェックをしながら入れ替えてコンディションを整え、材の厚みにより約8〜30ヶ月じっくりと乾燥させます。
人工乾燥
香川県下で人工乾燥できる事業所は僅かです。そのうえ、気乾比重が高い「どんぐりの木」の人工乾燥は難しく、その時々に最適な乾燥プログラムを模索し進めています。
家具づくり
川上(伐採)〜川中(製材・乾燥)のみなさんの思いを繋ぎ、1年〜5年後にようやく家具づくりに取り組むことができます。
やっと「柞」と向き合える時間。柞と対話しながらデザインしていくスタイル。
hahaso stories 柞ストーリーズ
2023年11月、コナラなど約5㎥を人工乾燥していただき、商品開発に着手。
雑木とされてきたどんぐりの木(コナラ・クヌギ・アベマキ・カシ・シイなど)を総じて、古い呼び名「柞 ははそ」と呼ぶことにしました。
そして、
このプロジェクトにご協力をいただいてきた川上・川中の事業者の方々
共感し応援してくださる方々
香川県産広葉樹の家具の販売促進をしてくださる小売店の方々
難しい香川県産広葉樹をそれぞれの感性とデザインでプロダクトを生み出す仲間
多くの方々のご支援とご協力があってこそスタートできた、この“物語”を「hahaso stories 柞ストーリーズ」と名付けました。
柞の木
日美の家具づくりには、主に讃岐産のコナラとクヌギを使用しています。コナラ
北海道北部及び沖縄を除く日本各地に分布するブナ科コナラ属の落葉高木。自生は山地のやや乾いた場所だが、材を薪炭に使うため民家近くで大量に植栽され、その名残が各地で普通に見られる。
コナラはクヌギと並ぶ雑木林の主であり、絵に描いたような形のどんぐりができる。
樹高は15〜20m、胸高直径は60cmになる。
コナラは萌芽能力が高く、20年前後ごとに何度も収穫できることから、これらの用途に非常に優れている。
硬く重い木材で、気乾比重は平均0.8程度だが、成長の良い良材ほど重くなる。ミズナラは気乾比重0.6〜0.7程度であることから、コナラは若干重くむしろクヌギに近い。
道管の配置による分類は環孔材であり、年輪は良く目立つ。辺材部は紅色を帯びた淡褐色で、心材はくすんだ褐色である。柾目には虎斑(トラフ)が現れ、これが美しいと評されることが多い。
乾燥は難しく反りやすい。
環孔材なので塗料の乗りは良好。
これらの特徴の多くはブナ科コナラ属に共通するものである。
ミズナラと違い大径材は少なく、建材はもとより家具材としての利用も少ない。
主な用途は薪炭及びシイタケの原木栽培用の原木・菌床栽培用のおが粉培地である。
木目はミズナラにやや近いが、心材部分は濃い褐色なのが特徴。
クヌギ
ブナ科コナラ属の落葉高木。山地などに生え、雑木林の景観を作り出す代表的な樹種としても知られる。
樹皮から染み出す樹液にはカブトムシなどの昆虫がよく集まり、実はどんぐりと呼ばれ、材は薪や家具、シイタケの原木など様々に利用されてきた。樹皮は染料や薬用にも使われる。
落葉高木で樹高は15mほどになる。萌芽能力が高く、萌芽更新に期待できる。
硬く重たい木材で、材は建築材や器具材、家具材、車両、船舶に使われるほか、伐採しても萌芽更新により繰り返し収穫できるところが重宝されて薪や薪炭、シイタケの原木栽培の榾木(ほたぎ)として用いられる。
落葉は腐葉土として作物の肥料に利用される。
クヌギは成長が早く植林から10年ほどで木材として利用でき、木材生産には効率が良いとされてきたが、もっぱら薪や炭用の利用が多かったため、その後はだんだんと植える人も減っていった。
放射組織が個性的。色味は全般にやや赤っぽい材が多い。
主な産出地
hahaso stories products
E7 table & bench
ほんとは E7#9
ジミヘンコードといえばコレ。
E7のもうひとつのワケ。「7」
アイアン脚に、87° 97°が潜んでます。
素材は讃岐産のクヌギと鉄の色を生かした黒皮仕上げのアイアン。
余計な装飾のない、クヌギの力強い表情が主役のテーブルとベンチです。
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Ness table
家具を作るとき、どうしても生まれてしまう端材。
それも無駄にはしたくない。
讃岐の山で育ったクヌギとコナラ。
似て非なる二つの木を、三角のピースにして組み合わせました。
ひとつひとつの表情が響き合い、手仕事ならではの奥行きを感じさせます。
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Full House table
Ragtime chair
讃岐産コナラのまるいテーブル Full House
コナラの木目はミズナラにやや近いですが
濃淡が大きくダイナミック
ゆったりくつろげる Ragtime chair
チェアは肘掛けにコナラを使用しているので
その手触りも楽しんで。
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Full House table
Ragtime chair